飯高檀林跡について
講堂
平成14年に5年をかけた飯高寺講堂の保存修理工事が終わり、慶安4年(1651年)に再建された当時の姿によみがえりました。
規模:桁行26.72m、梁間16.23m 形式:入母屋造/栩葺き(とちぶき) 昭和55年に講堂をはじめ建造物4棟(ほか総門・鼓楼・鐘楼)は国重要文化財として指定されました。
総門
飯高寺の総門も講堂と同じく、平成の保存修理工事により美しい姿を取り戻しました。聳え立つ大杉の境内の目にまず飛び込んでくるのはこの立派な総門です。かつて修行僧が幾度この門をくぐり、厳しい修学に励んだことでしょうか。今は木漏れ日、そして深い緑に包まれ、優しく人々を出迎えてくれます。
鐘楼
講堂と同じ寛文頃とされる。平成4年の保存修理の際に屋根裏に残っていた部材などから、建立当初の屋根材が判明し杮葺き(こけらぶき)に復原。現在は大晦日の除夜の鐘がつかれ、コンサートの開幕にも鐘がつかれる。
境内全域
境内全域は昭和49年に千葉県指定史跡として指定。素晴らしい景観を四季折々に楽しませてくれます。春:枝垂れ桜の開花、新緑、牡丹。夏:紫陽花、蝉時雨。秋:紅葉、そして飯高檀林コンサート 。冬:除夜の鐘
- 飯高檀林は、天正8年(1580年)に日蓮宗僧侶の学問所(檀林)として開設された寺院です。当時は全寮制をとっており、全国から集まった学僧(所化しょけ)達は、最盛期には千人近くが学んでいたようです。寺の記録によれば59軒の直営する学寮があったと記されています。
日蓮宗の檀林は、主に関東、関西方面に創設されていきましたが、数ある諸檀林の中でも飯高檀林は、最高で最大の学問機関として位置付けることができます。廃檀の明治7年(1874年)までの294年間有能な僧侶を輩出し続け、立正大学の前身となっています。 - 飯高寺の詳細は匝瑳市ホームページでご確認ください。
- 毎年4月29日に、午前10時30分から御本尊が御開帳されます。法要では参詣者の祈願を行い、江戸時代より伝わる御宝前の経巻にて、御経頂戴が行われ、御首題を求めて多くの参詣者がいらっしゃいます。
なお、学問所として開設された関係で、寺を取り持つ檀家が無いため、地域の有志で「史跡飯高檀林跡を守る会」を組織し、森の手入れや、境内の清掃などを手がけ、講堂裏庭では牡丹園が公開され、境内の散策だけでなく、牡丹の花も楽しんで頂いています。 - 牡丹の開花情報は匝瑳市ホームページでご確認ください。
- 大晦日に行われる除夜の鐘突、1年の煩悩(人の心の乱れ、汚れ)を払い、来る年を新たな気持ちで迎えるための行事で、午後11時頃から執り行われ、参詣頂いた方も鐘を突くことが出来ます。講堂では飯高寺住職によるご祈祷も行われ、「史跡飯高檀林跡を守る会」からは、暖かい甘酒も振る舞われます。
- 飯高寺には、狐が学僧に化け、一生懸命勉強し法華経の奥義をきわめた為、学僧の師となり、学僧達に指南するほどだった事から、講堂前庭の祠、古能葉稲荷(このはいなり)大明神に祀られたという伝説があり、受験を控えた学生達が、絵馬ならぬ「絵狐」を奉納し、志望校への合格を祈願しています。
- 古能葉稲荷大明神は匝瑳市ホームページでご確認ください。